「ねえパパ、起きて!今日はキャンプに行くんでしょ!?」
待ちに待ったパパとのキャンプの日。 楽しみすぎて朝早く目が覚めちゃった。

秘密組織の朝
「おっと、そうだった。陽菜は早起きだね」
ソファで眠っていたパパを起こすと、寝ぼけながらも笑顔で応えてくれる。
「あ~暑い暑い。こうも暑いとやる気なんか出ないな、まったく……」
キッチンでは昨日の科学者がぶつくさ言いながら冷凍食品を温めている。暑さのせいか、今日はヘルメットとゴーグルを外していたので素顔が見えた。
ボサボサの頭で、目の周りに凄いクマがある。そういえばパパも、目に濃いクマがあるし、昨日の忍者もそうだった。悪の幹部って大変なんだろうな……
パパと私はパンケーキを作った。だけど、ひっくり返そうとした瞬間、フライパンから滑り落ちて床にポトッ。
「……これはパパの分」
パパは何食わぬ顔で、落ちたパンケーキを拾い上げて自分の皿に盛った。ちょっと面白い。
「今日パパとキャンプに行くんです」
バターとはちみつたっぷりのパンケーキを食べながら、私は科学者のおじさんにウキウキで話しかけた。そしたらおじさんは興味なさそうに、
「キャンプぅ~?あんなの、虫に刺されに行くようなものだ。あそこの森は熊も出るし」
「えっ、熊!?」
楽しみだった気分が一気に不安に変わった。
「こら、怖がらせるようなことを言うんじゃない。陽菜、熊は人の気配のするところには近付いてこないから大丈夫だ」
「ヒッヒッヒッwww念のために私のシムレイを持っていったらどうだ?」
パパがそう言うなら大丈夫なのかな?
忍者のお兄さんも今朝は覆面を外していて、私たちの会話を聞きながら大きなため息をついている。
「はあ〜〜……」
「キャンプとかめっちゃ楽しそうじゃん。羨ましいわ。オレも自分の休みなったら海行こうかな……」
「海なんかひとりで行っても虚しいだけだろうに」
「はあ?誰がひとりで行くっつったよ」
科学者がからかうと、忍者は少しむきになって答えた。
「……彼女でも出来た、か……?」
「友達だ、友達!💧」
パパの言葉にお兄さんは明らかに動揺していた。昨日はクールな人だと思ったけど、こんなふうに慌てることもあるんだって、ちょっと驚いた。
「まあとにかく、ふたりとも留守中のことは任せたぞ。私は明日の夕方に戻る」
「了解」
パパは他の2人と簡単に仕事の話をして、留守中のことを頼んでいた。私もアウトドア用の服に着替えて、いざ出発!
「行ってきます!」
「あぁ、気を付けてな」
楽しいキャンプの始まり
「パパの仕事仲間の人たち、優しいよね。悪の組織の割には…」
「いや、あいつら陽菜の前では猫被ってるんだ!いつもはもっと殺伐としてるぞ!?」
車の中は、昨日の緊張が嘘のように、パパとの会話が弾んでいた。パパの仕事の話も聞けて、やっぱり悪の幹部は大変なんだなって思った。
「さあ、着いた。パパはテントを設置するから、その辺で遊んでおいで」
キャンプ場に着くと、パパはさっそくテントの設営を始めた。私はその間、キャンプ場の周辺を散歩することにした。
パパひとりで大丈夫かな……ってちょっと心配だったけど、パパはあっという間にテントを完成させた。
「陽菜、準備出来たぞ」
「えっ、もう終わったの!?」
「パパは子どもの頃から組織の厳しい訓練を受けてきたからね。これくらい朝飯前さ」
パパがアウトドアが得意だったなんて意外だった。
パパって凄い!頼りになる!
「……よし、それじゃ夕飯の魚を釣りに行くぞ」
「釣ったお魚を食べるの!?」
「ああ、万が一何も釣れなくても、食材は持ってきてるから大丈夫だ。その時はシチューを作ろう」
キャンプ場で釣った魚を焼いて食べるなんて、考えたこともなかった。こんな楽しいこと考えつくなんて、やっぱりパパって凄い。
川に着くと、パパが教えてくれた釣り方を真似して、私も釣竿を振ってみた。
するとすぐにパパの竿に何かがかかった!
残念なことにゴミだった。
最初はなかなか釣れなかったけど、諦めずに何度も何度も投げていると、急に糸が重くなった!
「釣れたー!」と叫んで、パパに見てもらうと、銀色の綺麗な魚だった。「これはスズキっていう魚だ」ってパパが教えてくれた。
その後も粘って釣りをしていると、またもやヒット!今度は黄色い模様の魚が釣れた。
「これはイエローパーチだ」ってパパが教えてくれた。二匹も釣れて、すごく嬉しい!
「陽菜のおかげで今日は焼き魚が食べれるぞ!」
「わーい!」
忘れないうちに、思い出を日記に書いておこう。
初めてのキャンプ。パパとの時間は、想像していたよりずっと楽しい。
続く。
子どもの立場で文章を書くってのは、普段やらないスタイルなのでなかなか難しい😅































