
昔のパパと、今のパパ
キャンプ場の近くには街にいない虫やカエルが沢山いたので、私は夢中になって捕まえた。でもママは虫やカエル苦手だから、帰る前に逃がしてあげなきゃ。
パパが持ってきたサッカーボールで、リフティングの練習もした。
パパは手本を見せてくれたり、アドバイスをしてくれた。少しずつリフティングの回数が増えていくのが楽しくて、パパと笑いながら練習した。
運動したから、お腹もペコペコになっていた。
周りが薄暗くなってきた頃、川で釣った魚を焼いて食べることにした。焚き火の上でじゅうじゅうと音を立てて焼ける魚の匂いがたまらなく美味しそう。
「良い匂いがしてきたね!」
「よし、そろそろ食べ頃だ」
外はカリカリ、中はふわふわで、今まで食べた中で一番美味しい魚だった!
「美味しい〜!」
「陽菜が釣った魚だから特別美味しいよ」
その後はデザートタイム!
パパが熱々のマシュマロを一気に口に入れた瞬間、「あっつ!」と叫んだ。私は「パパ、大丈夫?」って聞いたけど、パパはずっとハフハフ言ってて笑っちゃった。
焼きたてのマシュマロは外はカリッとしてて、中はとろけるように柔らかくてまるで雲を食べてるみたい。少し焦げた部分が香ばしくて、これがまた美味しいんだ♪
食事の後、私とパパは焚き火を囲んでいろんな話をした。好きな本やテレビや、学校の話。私はパパに自分で作った冒険物語も聞かせた。
パパはずっと楽しそうに聞いてくれてた。
草の上に寝転がって空を見上げると、星がキラキラと輝いている。
「ねえ、パパ……」
「うん?」
「パパは、もう私たちと一緒に暮らすことは出来ないの……?」
「……パパは、ママと陽菜と一緒に暮らす資格はないんだ。陽菜は何も覚えてないかもしれないが、ママにはそのくらいひどい事をしてしまったからね……
あの頃はまだ若かったとはいえ、本当に申し訳なかったと思ってるよ」
「その代わり、ふたりが幸せに暮らせるように出来ることは何でも協力するつもりだ」
私はパパに「また、時々こんなふうに会いたい」とお願いした。パパは「その時はまたママに言って、連絡してもらいなさい。いつでも会いに来て良いから」と言った。
離婚した時に、ママの許可がないとパパは私に会えないって約束で決まったんだって。
一緒に暮らすことは出来ないけど、パパはいつも私のことを思ってくれてる。それが分かってすごく嬉しかった。
夏休み最終日
パパと過ごす夏休み、最後の日がやってきた。
パパが朝ごはんの焼きフルーツを作ってくれてる間に、私は昨日の出来事を日記に書いておく。
「夕方にはママがサンマイシューノに迎えに来るはずだから、それまでに戻らないとな」
「うん」
朝ごはんを食べ終わると、パパはキャンプ用品の片付けを始めた。
楽しかったキャンプも、もうおしまい。少し寂しいなと思ってたら、パパがある提案をしてくれた。
「帰る前に国立公園にも寄っていこうか」
「行ってみたい!」
国立公園はとても深い森になってて、気を付けてないとすぐ迷子になってしまいそう。私はパパとはぐれないように慎重に森の道を進んだ。
国立公園の中にある小屋で、少し休憩した。
小屋の中には珍しい虫やカエルが沢山展示してある。全部この森で採集出来るんだって。
いろんな色に光る貴重な「虹ホタル」に見とれていたら、パパが言った。
「最後に川の近くまで行ってみよう」
更に森を進んでいくと、遠くから水の音が聞こえてきた。
「もうすぐ川に着くぞ。頑張れ!」
「うん!」
でも私たちはそこで、一番遭遇したくなかったものに遭遇することになった。
「Σパパ!熊がいるよー!!」
「Σな、なんだってー!!」






























